気象庁からJRまで狼少年症候群の蔓延

 2020年9月22日18時42分、JR東日本は国府津駅折り返しの始発、上野東京ライン籠原行きに乗った。

 客は疎ら、車内の吊り広告はフルに使うとB3用紙で28枚まで下がるのだが、端から端まで眺めても11枚しかない。しかも何枚かはJRの自社広告のようで、コロナ不況からの回復の兆しは感じられない。
 見るともなくドア上の電光掲示板を眺めていると、台風注意報を流している。
《【山手線】台風の影響により列車の遅れや運休が発生する場合があります。今後の気象情報や運行情報にご注意ください。》
 アレ!? 台風はまだまだ遠く南の海上にあったはずだが、急接近しているのかな? まアいいや、どうせ山手線乗り換えのはるか手前の藤沢で降りるのだから大事あるまい。
 と思う間もなく、
《【京浜東北線】台風の影響により列車の遅れや運休が発生する場合があります。今後の気象情報や運行情報にご注意ください。》
 続いて、
《【烏山線】台風の影響により列車の遅れや運休が発生する場合があります。今後の気象情報や運行情報にご注意ください。》
 えッー烏山線とは宇都宮の向こうだったかな、と思う間もなく【青梅線】【常磐線】と続く。

 関東地方中北部ではよほど事態が切迫しているようだ、上野以北にお帰りになる方は十分お気をつけくださいと願わずにいられない。
 わたしはといえば、藤沢駅で小田急江ノ島線に乗り換えて4つ目で下車。
 駅前の路面は濡れているが無風、傘を出すこともなく、帰宅してパソコンで台風情報を覗いてみた。

 この台風12号の進路予想図で、黄色い円は風速15m/sの強風圏、赤の太線は25m/sの暴風圏を表している。これで見ると関東中北部に台風の影響が出るのは24日の午後以降ということになる。
 JRの皆さんありがとう。
 2日後に乗るお客さんのために、懇切丁寧な注意喚起をしてくださっている。

 そして翌23日の朝−−
《台風12号、東日本に24〜25日に接近 大雨に警戒を
   …………
 台風や前線の影響で、東日本の太平洋側を中心に雷を伴う大雨が降る所もある。24日午前6時までの24時間に予想される雨量は、東海、伊豆諸島で200ミリ、関東甲信で150ミリ、東北で80ミリ。その後、25日午前6時までの24時間雨量は関東甲信で200〜300ミリ、東北、伊豆諸島で100〜200ミリ、東海で50〜100ミリの予報。》(朝日新聞デジタル>記事 2020年9月23日 10時03分)
  そしてその夕刻−−
《関東は24日、東北は25日にかけて大雨に 台風12号
   …………
 24日午後6時までの24時間降水量は多いところで、伊豆諸島250ミリ、関東200ミリ、東北180ミリの見込み。東北ではその後の24時間にも100〜200ミリと予想され、気象庁は土砂災害への厳重な警戒を呼びかけている。
 JR東日本によると、千葉、茨城、福島、宮城の各県の在来線の一部では24日、運転を取りやめる計画となっている。》(朝日新聞デジタル>記事 2020年9月23日 18時44分)
 藤沢の自宅では何の兆候も感じないけれど、やはり北関東から東北は酷くやられるらしい。
  そして運命の24日朝−−ひんやりした北風がときおり吹くが、雨は降っていない。きょうは庭の草抜きでもしようか。
 気象庁レーダー・ナウキャスト画像はどうなっているのだろう。

 あれ!?  台風の渦巻きがなくなっている。
 天気図はどうだろう。

 台風12号は気が変わって、前線に沿って東のほうへ行くらしい。
 まもなく薄日が差してきて、ネットで調べていると納得できる情報が見つかった。
《今日24日(木)の天気 台風12号接近の関東沿岸は横殴りの雨 九州は強雨注意 

   …………
 台風12号は陸地から離れて通るため影響は限定的で、大雨や暴風のおそれはなくなりました。
   …………
 東シナ海に新たに低気圧が発生して東へ進む予想です。そのため、九州や中国、四国では雨が降りやすく、特に九州南部では雷を伴って、強く降ることがあります。》(2020/09/24 05:32 ウェザーニュース)
 そうか22日夜、籠原行きの車内電光掲示板の注意喚起はこのことを指していたのか。
 内閣は変わっても、忖度意思決定の麗しい慣習、国民に大騒ぎさせて誰も責任をとらない行政の機能不全は継承されるらしい。