池塘と花の会津駒ケ岳

 「東日本と西日本では12日から17日頃にかけて最高気温が35度以上となるところがあるでしょう。熱中症など健康管理に注意してください。」(平成30年7月10日15時00分気象庁予報部発表)
 そして7月14日午後1時、会津駒ケ岳滝沢登山口は31℃、山樂カレッジ登山隊は登り始めた。われわれには知る由もないが、ちょうどこのころ東北地方南部の梅雨明け宣言が出されている。

 


  このコースは山頂近くまで樹林帯が続くとはいえ、この暑さのなかを本日の宿である駒の小屋まで、標高差1230メートルを登るのはかなりきつそうだ。
  初めはミズナラの巨樹群に感心し、「ツルリンドウが多いねえ」などとブナの大木が混じってくるころまでは森林観察の余裕もあったが、あとはひたすら水場はまだか? 下ってくる人が、「あと一登りではなく二登りかな」、ぬか喜びしないよう気をつかってくれる。
  随時に休憩を入れながら 水場に着いたのが午後4時。ダケカンバの大木が出てきても急坂はつづき、オオシラビソ帯でようやく傾斜が緩み、最初の高層湿原に着いたのが5時40分。

 

 ここからは会津駒ケ岳(2132メートル)が正面に、ようやく左手に駒の小屋が見え、小屋に着いたときは6時を回っていた。黄金色に夕日が照らされながら自炊の夕食を済ませると間もなく消灯。
 この小屋に発電機はないのでランプが消えると、外は満天の星である。

 

 15日午前4時、雲一片ない青空である。刺すとか噛みついたりはしないのだが、小蠅が何匹も顔や首に止まって五月蠅いので、防虫ネットを被って4時40分に出発。まずは目の前の会津駒ケ岳へ。空身だからきのうとはうって変わってるんるんである。

 


 巻き道で駒ケ岳入り口を過ぎると雪田が現れてくる。夏が短く枯れた草が分解しないまま堆積して泥炭層となって水を貯める。これが池塘である。

 


 雪解けの直後、ほかの植物が芽生えないうちにまず花を咲かせるのがショウジョウバカマやハクサンコザクラ。

 

                          中門岳(2060メートル)は冬には雪の吹き溜まりになる。

 


 イワイチョウの花やワタスゲの穂が木道わきに続く。

 


 

  そのほか、コバイケイソウ、チングルマ、コイワカガミ、ハクサンチドリ、キソチドリ、ハリブキ、ネバリノギラン、バイカオウレン、ツマトリソウ、ゴゼンタチバナ、マイヅルソウ、ハクサンシャクナゲ、ベニサラサドウダン、ギンリョウソウなど春の花が咲き乱れ、ずっと下ってくるとヤマブキショウマ、オカトラノオ、キツリフネ、ヤグルマソウ、ヤマアジサイ、タマガワホトトギス、そして綿菓子のように広がるオニシモツケ。

 

 登りも下りも暑さに辟易したが、それでもお釣りがくるほどの花の山であった。