春日山脱線登山、鉄ちゃんの旅

 あすは中央線石和温泉からバスで鳥坂峠まで上り、春日山が目標である。8月31日夕刻、数日来東北南部に停滞していた前線が南下を始めたようだ。


 翌朝9時の前線の予想位置は、ズバリ山梨県を狙っている。

 がしかし、じっさいの天気がどうなるかはまだ分からない。雨が降ったとしても地域と時間が限定されれば、いまどき濡れても身体が冷えるようなことはないだろう。
 9月1日4時起床。妙に明るいなと思って新聞取りに出てみると、快晴!
 あの前線はどこへ行ったんだ。パソコンを点けて気象庁のレーダー・ナウキャストを開くと、確かに関東地方の大部分には雲一つない。

 しかし、すでに東京都の西端から西、山梨県全域と長野県南部、愛知県まで雨雲でベッタリ覆われていて、雨雲全体が東に進んでいる。 そのうち綺麗な朝焼けが始まる。出発時刻だ。
 町田、八王子と乗り換えて集合場所の高尾駅に近づくと、確かに北の山には雲が下がっているが、南の空には雲間に青空がのぞいている。
 7:10甲府行列車は高尾発。
 レーダー・ナウキャストの画像に大きな変化はない、雨を避けるとすれば伊豆半島か房総に方向転換するほかないかな。というところで、ひらめき。
  今回は参加者全員が青春18きっぷ利用である。新幹線や特急列車はダメだが、在来線ならJRを一日中乗り回してどこまで行ってもいい。今日中に帰ってくればいい。
  8:31下車予定の石和温泉は通過して8:40甲府着。
  改札を出てまずは北口の甲州夢小路。洒落たワインバーなどあるが早朝から開いているわけではない。再建された山手御門に登るとミニ博物館兼展望台になっている。

 レーダー画像にあった雨雲などこへ行ったのか、遠望が利く。再建された時の鐘の向こうにあるはずの富士山は見えない。

 次いで中央線を跨線橋で渡って本丸跡へ。天守台への石段は脛より高い段差もあってけっこう登山気分。

 10:54身延線富士行き甲府発、南甲府駅に近づくと富士山が見えてくる。

 11:41市川大門着。ここは江戸時代から富士川舟運の中継地として栄えた歴史があり、駅舎も何かを語りかけているようだ。

 町の観光案内板によると今日でも和紙と花火の生産が盛んなようで、中央通りを見物しながら1駅引き返して市川本町駅へ。

 そのほか幕末の天保の飢饉のおり、この地で大我講を興した大寄友右衛門が忍野八海を整備して村民救済を図ったと伝えられており(『忍野八海を中心とした富士山信仰と巡礼路』忍野村教育委員会、2015年)、機会があれば再訪したいものである。
 12:19市川本町発は、2駅目の鰍沢口駅行き。身延線には富士駅発の下りも甲府発の上りにも鰍沢口行きという列車がある終始点駅なのだが、駅前には何もない。十谷温泉行きのバスが待っていたがこれは富士川町営のホリーデーバス(土日休日運転)で1日3往復、これに乗ったら今日中には家に帰れないだろう。
 薄日が差しているので富士川土手に行って昼食。ヘクソカズラの清楚な花が満開で、踏んだり摘んだりしないことが肝要である。

 13:14鰍沢口発、15:09富士宮着、静岡県世界遺産センターへ。


 ここでは螺旋回廊を登って頂上まで行くと正面に富士山の大展望という富士登山の疑似体験ができる。笠雲を被った富士山の全体がくっきり。

 2階の映像シアターでは“地の巻”を上映中で、わが聖護院・富士山峯入り修行の一部始終が紹介されている。先駆けとして先頭を歩く筆者は11場面に登場する。
 閉所時刻まで滞在して真ん前の神田川楽座に入って生ビールで乾杯、名物の富士宮焼きそばもいただく。

 18:00富士宮駅発、18:23富士駅乗り換え、19:27熱海駅乗り換えで長い一日の鉄ちゃんの旅を終わったのであった。


 ちなみに藤沢在住の筆者がJR乗車券をそのつど購入すると:
 1940+320+190+1140+1940=5530円也となるが、

 青春18きっぷのおかげで、11850÷5=2370円で済んだ。

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