村山古道補修 脱線

 今年の聖護院・富士山峯入り修行は10回目。これまでは海抜0メートル、田子の浦海岸から村山道・村山古道をたどって富士山頂を往復、富士宮に下山していたのだが、第10回目は日程を1日延ばして、御殿場に下ろうということになった。
 昭和10年頃まで、村山修験の山伏たちが歩いたコースである。
《村山修験の下山路は須山口登山道であり、須山からの下りは十里木道と呼ばれた現在の県道富士・裾野線をたどり、東海道へと抜ける道であった。……断片的ではあるが、聞き取りによる昭和十年代の様子は、次のようである。
 まず、九月二日、印野に下山し、大日堂に寄って護摩を焚き、翌日印野の御胎内に参る。そこから北畑へ向かい、後鬼前鬼神社へと参って泊まる。……
 九月八日、次の下和田に行く途中でチョウチングチ(提灯口、銚子囗とも表記される)という滝を拝み、タナノダイ(棚の台)あたりで愛鷹山中にまつられている飯盛山不動に向かってホラノキャー(法螺貝)を吹く。この滝は、「富岡村三大瀑布ノ一」で、高さ四三尺もあるという(『駿東郡富岡村誌』)。下和田から金沢に向かい、……その後、今里に戻って旭滝で滝行をした。旭滝は、『駿河記』にある「棚底の滝」(『駿東郡富岡村誌』には「棚返りノ滝」とある)のことである。滝の水が水量不足で落ちていないと、滝壺に入って身を清めた。》(『富士山須山口登山道調査報告書』裾野市立富士山資料館編・発行、平成21年)
  われわれは昨年秋から何回か御殿場・裾野両市に通い、拝所を確かめ関係者にお目にかかって協力をお願いしてきた。ここに引用した銚子口ノ滝も旭滝も駐車場の位置など確かめておいた。
 ただ残念ながら渇水期のためか、滝の迫力はいまいちというところであった。
  
 左は昨年12月27日で、右は今年3月22日の、銚子口ノ滝(提灯口の滝)である。

 旭滝は、左の写真が去年の11月24日のもので左が雄滝、右が雌滝、優美な滝である。そして右は今年の3月22日の撮影で、滝というより単なる岩壁である。
 もっと残念なことはご存じの通り、新型コロナ禍のために峯入り修行そのものが中止になったことである。
 人が歩かなければ登山道は消える。
 だから今年も村山古道の傷み具合をしらべ、まずは入り口に生い茂る獰猛な草を刈り取ったことは前回のブログ《村山古道補修 20年その1》で報告したばかりである。
  昼前から小雨が降りはじめ、間もなく本降りになってきた。午後は泥んこ遊びではなく、滝を見に行こう! ということになったのである。
 銚子口ノ滝は渇水期であれば、裾野市下和田の宮川橋の西袂から佐野川の河床におりてアプローチするのだが、きょうは膝下か、ばあいによっては腰辺りまで水没するかもしれない。
 佐野川の右岸伝いは雑木林の密林が続いていて、鋸鉈なしの丸腰ではちょっと面倒なことになりそうだ。だが左岸はと見回すと、ぐるりと大きく道路を迂回すれば檜の植林地が滝壺まで続いているようだ。そこからはいることにしよう。
 
 これが生き返った銚子口ノ滝である。
 生の迫力をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
 https://youtu.be/G9cCie_tHwo
 旭滝は、静岡県道富士裾野線の今里新田バス停から枝道を下っていくと、ドドドドッという地響きのような音が聞こえてくる。
 最後のカーブを曲がったところで、思わず高笑いしてしまった。
 
 落差50メートル、これが野生を取り戻した旭滝である。
  水行でもと考えている方は、諦めてください。
  https://youtu.be/tlMCv3UutYw
 濁流渦巻くといいたいところだが、水は少しも濁っていないのが三島熔岩流の上を流れている佐野川の特徴である。

【特殊訓練を受けて救難用装備を持ったチーム以外は、絶対に、増水した川や沢に入らないでください】

コメント

旭滝も銚子口ノ滝も昨年のもの、今年3月22日のもの、そして7月5日のものと並べて頂き、またYouTubuで動画も見ることができ、その気象状況によって、様相が様変わりすることが良く判りました。自然の怖さでもあり、魅力でもありますね。

梅雨の終わりに向かっての豪雨で、岳南地方に災害が起こらないようにと祈っています。

  • ムラヤマフジコちゃん
  • 2020/07/09 11:10