村山古道補修 20年その4 刈り払い機出動

  2020年8月8日、村山から見る富士山には妖気が漂っている。きょうは雨の代わりに火が降るだろうと。

 前回は予想外の繁茂で手こずったアジサイなので、今回は手鎌ではなく、刈り払い機に出動してもらうことになった。

 これは一般には草刈り機だと思われているが、紐を振り回すタイプではなく回転鋸式の機械は、使いようによってはチェンソーの代わりになる。
 まずは足許のアジサイ刈りから始まる。

 もちろん頭上に覆い被さっている大木に育っている大物は、ジワジワと回転鋸を刃を押し当てて根本から切り倒す。
  それでも虎刈りになったり、硬い木が取り残されるので、手引き鋸と手鎌をもった仕上げ係が後ろからついていく。

 ソーシャルディスタンス、訳して社会的距離。コロナ禍ですっかり社会に定着した概念であるが、こういう近代兵器を使っている人間には距離を置かなくてはならない。間違っても、オペレーターの視界から外れる後ろから近づいてはならない。

 古典的な鉈や鎌を振るうときには、刃先がどこまでいくかを見極めて寸止めする。鉈や鎌の刃先を自分の膝に打ち込まないための基本動作である。

 ところが時に力いっぱい払って刃先が横に流れることもある。刃物をもった人間や犬には、近づかないほうが無難である。
 ともあれ前回は人力で難渋した作業はあっという間に終わった。

 風の通らない藪の底での作業だから、あっという前に全身汗でびしょ濡れである。
 これでもう、雨が降っていても傘を差せば、天照教まで濡れないで登れるようになった。

 といえばちょっと言い過ぎだろうな。

 

 しかしこれで本日はおしまい、ではない。こんどは地面に難物が残っている。

 左の写真は一昨年6月に造った水切りである。古い作業道から流れ下った雨水が左の村山古道に流れこんで路面を削りはじめていたので、それを防ぐためである。
 右の写真は昨年7月のもので、水切りはちゃんと機能していた。作業道は廃道になったものと思っていた。

 ところが今年いってみるとトラックが走ったものと見えて、水切りは蹂躙されて見る影もない(左の写真)。白いものがところどころに残っているのは、PP製土嚢袋の残骸である。
 トラックの轍は残っておらず、大量に流れこんだ水の量から推定して、去年の秋以降、今年5月以前のことだろうと見当はついた。ここは完全な廃道ではなく、数年に1度の巡回に使用されているらしい。
 そこで作業道幅から外れた下側に土嚢を積んで登山道に雨水が流れこまないようにした(右の写真)。麻の土嚢5俵積むのに1時間15分かかった。
 作業道部分の地面は衝き固めてあるのか、スコップでは刃が立たない。鶴嘴を打ち込むと大小さまざまな石が詰まっており、1打ちごとに頭蓋骨の周りから汗が噴きだし、気がつくと全身汗まみれ・泥まみれになっていた。

 

 北井久保林道の上、札打場周辺の間伐材搬出作業はまだ終わっていないようだ。村山古道を横切るブル道には、真新しいキャタピラの痕が残っている。ほんの1〜2間前に登っていったようである。

 札打場の上のブル道は作業が終わったようで新しい轍は残っていない。路面も、何回かの雨に打たれて安定してきたようである。ただしブルドーザーで路面を削って、村山古道に雨水を流しこむようにしつらえた水切りをつくり直すには、小型スコップ1丁では刃が立たない。

 

 最後に天照教林道に上がってみた。いやに埃っぽいな、炎天下に土埃が立っている。
 天照教林道、公式には広域基幹林道富士山麓線というのだが、道路の両側に側溝がない。“環境道路”だと聞いたことがある。
 つまり山側に集まった雨水は、側溝がないので舗装された路面を越流するのだが、反対の谷側にも側溝がないので、路面にたまるか、溢れた水は谷側の斜面を自由奔放に流れ落ちる。

 大雨が降ると谷まった部分に土石流となって集中し、土砂がたまって通行止めになったりする。今年の雨の降り方はしつこかったたようで、天照教林道の全域各所に土砂がたまる現象が起こったようだ。
 村山古道が天照教林道を横切る場所は比較的に平坦地で、ふつうの雨なら、降っているときだけ浅い池になる程度なのだが、今年はめずらしく路面にかなりの土砂が残っている。
 村山古道は天照教本社から100メートルほど西側の、桧林から道路わきの草むらにひょいと出てくる位置にある。例年ならば生い茂った草の間にかすかな踏み跡が残っているはずである。

 左の写真は昨年の開山前の6月のもので、この凹みの部分の草を刈り取り、ドスドスと2〜3回踏み歩くと立派な出入り口になったものだ。ところが、今年はこの草がずうーと刈り込まれて、道路にたまった土砂が置かれているので入り口が分からない。
 やむなく背丈ほどの草藪を掻き分けて適当なところから檜林に下り、林のなかで登山道を見つけて登り返すと、排土の山の所に出た。
 ともかくゴミを拾ってきてマーキングとしておいた(右の写真)ので、下山する人は踏み跡にはこだわらず、ここからどうぞ。

コメント

村山古道の修復、お疲れ様でした。
近代的な刈り払い機と、旧来の鋸と鎌とお二人のコンビの良さがものを言いましたね。
アジサイの道が見事に再現されました。
天照教周辺はアジサイ道に増して大変な作業だったのですね。
暑い中、本当にお疲れ様でした。どうも有り難うございました。

  • ムラヤマフジコちゃん
  • 2020/08/10 22:33