村山古道補修 20年その5 水切り補修

 前回から5日後の8月13日、この日も下界では猛暑がつづくが、作業はまた人力にもどる。
 村山古道も標高900メートルを超えると、ガクアジサイも獰猛さを失う。

《村山古道巡視 20年その2》(5月21日)でも触れたが、このあたりから上は数年前に間伐が終わっており、林床には枯れたスズタケに代わって草や灌木が下生えとして育ってきたので、表土の流出が収まってきた。これまで造ってきた水切りの多くが、埋まったり決壊したりということがなくなってきたのは喜ばしいことである。
  次の写真(左)は、向こう側の右下から手前の右後ろに向かって使われていない古い作業道が通っており、向こう側左上からも作業道が下ってきて、ここで合流している。

 事態がややこしくなるのは、ちょうどこのカメラマンの背後、左上から右下に向かって枯れ沢が下っていて、雨のときだけ水が流れ下るという地形を想起していただきたい。
 しかも村山古道は、向こう右下から登ってきて背後の沢を左上に登っている。
 しかもしかもである。写真には写っていないが右下の登山道を曲がったところに別の沢があって、登山道を流れ下った洪水が、登山道をどんどん掘り下げているので、いずれ迂回路が要るようになろうかという場所である。            
 左の写真に見える縦の仕切りは、左上からの雨水を登山道に流れ込まないように築いた水切り。白いものはPP製土嚢袋の残骸。つまり水漏れが起こっている。
  状況説明は長引いたが作業は簡単。左の水路にたまった土砂を麻の土嚢袋に詰め込んでドカッドカッドカッと3俵置く。その間10分。写真右のように、左向こうからの泥水も左後ろからの沢水もまとまって、右下の沢に流れ落ちるようになる。

 

 ここから20分も沢状の熔岩流むき出しの登山道を登ると、ロックフィル式の水切りがある(写真右)。ここは土砂が少なかったので、石や岩で水切りを造ったのである。

  ここは右後ろから作業道が登ってきて小さな峠を越えて左向こうへと通っている(写真左)。登山道は、カメラマンの足元を右から左へと登っている。
 ここは水切りとして十分機能は果たしているが、峠の頂上からごくわずかながら、雨水がこちらに逆流している痕跡が見られた。そこへ土嚢を2俵、これでおしまい(写真右)。


 ここからさらに20分も登ると古い土の作業道になり、その上部で水平につけられた作業道と交差する。
ここも《村山古道巡視 20年その2》(5月21日)で紹介しように、4輪駆動のオフロード車が入り込んで遊ぶので、「対戦車用地雷埋設」という看板を出したい場所である。ところがいつの間にか、タイヤが削り込んだ轍に豪雨が流れ込んで洗掘が進んで深くなり、一抱えもある岩も露出してきた。

 こうなるとよほどテクニシャンで、パワーのある車でないと通過できなくなったようである。ここは自然に任せよう。

 

 さらにその上、天照教本社のすぐ下に、間伐あとから大量の雨水を流し込む沢ができて村山古道を洗堀するようになっていたが、これは数年前から登山道を横切る水路を造っておいた。
ただ残念ながら、白いPP製の土嚢が積んであると登山者誘惑を呼びおこすらしく、1年ももたず踏みつぶされてきた。そこで土嚢の上に丸太を寝かしておいたところ、あえて跨いで通ろうという人もいないらしく、土嚢の上に草ばかりでなくアジサイも生え始めて、補修しないでも済むようになった。

 天照教本社前の天照教林道に、めずらしく大量の土砂が堆積していたことは前回にふれた。その原因の一つとして考えられるものに、村山古道からの土砂の流出がある。
 数年前に村山古道両側の国有林で間伐が行われ、大量の表土が村山古道に流れ込む現象はすでに収まっている。のこる原因は富士山麓山の村方向からの土砂の流出である。
 村山古道の傾斜が緩んで土の道になって、広場のような場所がある。ここは左(西)から右(東)に抜ける作業道跡である。ここには数年来土砂がたまりつづけて、はるか上流まで平らになってしまった。

 左写真の倒木に沿って村山古道がある。倒木の下の白いものはPP製土嚢の残骸である。
 登山道に雨水が流れ込まないように積んだものである。中央を登山道とは直角に踏み跡のように見えるところは排水路の跡である。でも1年と持たず、このようになる。
 そこで今年は、旧作業道の中央部に登山道を横切る排水路をしっかり掘った。登山道には土嚢4俵を積んで塞いで、迂回路も造った。
 さらに写真右のように、立木の右側にには土嚢6俵を並べた。雨が降るとこの低い部分に越流が発生して登山道に土砂が流ちるからである。
 いずれの土嚢にも丸太を横たえてある。登山者が踏まないようにというおまじないである。

 

 次に大淵林道の上、中宮八幡堂の下はとんでもないことになっていたので、解説は次回に譲り、女人堂跡から上の村山古道の説明をしておこう。
 この辺りは不動沢熔岩流が流れこんだ一帯で、スコリア(土砂)はほとんどないので登山道が大きく洗掘される心配はほとんどない。
 傾斜がきつくなると雨水の流れが急になって路面を削り、緩くなると土砂や落ち葉がたまってくる。スカイライン横道までの間に小さな水切りが2か所造ってあるので、排水路の掃除をしておいた。
 いずれも左が掃除前、右が掃除後の写真である。

 このあたりの登山道はこんな具合で問題ないのだが、スカイライン横道のすぐ下でとんでもない事態が進行していた。そのことは次の次でお知らせすることになる。

 

コメント

毎度、毎度、いらっしゃる度にお疲れ様です。
自然の猛威、今回は豪雨の力はスゴイですね。
それにしても、鳴岳師は法螺貝を携えての改修作業でしょうか。それもスゴイと思いました。
村山古道ならば、誰に遠慮することなく吹くことができますものね。クマ避けにもなるでしょうか。
益々困難を極めそうな続きの掲載を楽しみにしています。

  • ムラヤマフジコちゃん
  • 2020/08/17 11:07