村山古道補修 20年その9 秋の気配その1

 9月の声を聞くと、村山古道も秋の気配が漂う。

お花畑を席巻したヒヨドリバナ(左の写真)も勢いが衰え、キオン(右の写真)があちこちで黄色い花を着けはじめる。

 お花畑全域にテンニンソウ(左の写真)の花が開きはじめると、アサギマダラ(右の写真)はお花畑の下の方に移動していくが、日差しがあると上の方まで舞い上がる固体もある。
 8月30日も午後は雷雨という予報だが村山古道に入った。
 本日の第1目的は笹垢離跡である。
   1993年に発行された『富士山村山口登山道跡調査報告書』(富士宮市教育委員会編・発行)には、石造の不動明王と2体の地蔵菩薩が記載されているが、現在はお地蔵さんが1体増えて3体になっている。いずれも首が飛ばされていることに変わりはない。

 この首無し地蔵はこの間どこかから人知れず歩いてきたものではない。

 1996年9月の台風17号で一帯の森林が薙ぎ倒されたとき、大木の寝返りによって土中から掘り出されたものらしい。

 同報告書には「南側に石垣が積まれています」とあるが、今日それは確認できない。
 日本石仏協会・田中英雄氏の鑑定によればこれは六地蔵だというから、地蔵3体ほかの遺物がこの地下に埋まっていることは確かである。

 これから行政による発掘調査が行われるのかどうかは分からないが、六観音跡に続いてこの遺跡も流出・埋没する危機にある。
  南の雨水の流れ出し口は昨年水切りを造っておいた。排水路を水平方向に掘って水勢を弱めるようにしただけである。

 しかし北の山側は、いちおうダムのようなものを造ったが、狭まった地形の関係から流れこむ雨水を止めることができない。(《村山古道補修 補足 硬い地面ほど浸食される》2019年8月6日参照)
  そこで今回はまず、この疑似ダムの10メートル上に、左(西)にある窪地に雨水を落とし込む排水路を掘った(左の写真:このペア写真は見下ろして撮ってある)。しかしこれだけではかなりの分水が登山道に流れこむので、枯れ木の向こうの登山道を塞いで、登山者には左(東)の朽ち木の上を通ってもらうことにした(右の写真)。

これが遺跡保存にどのていどの効果を発揮するかは分からない。        (つづく)

コメント

標高1800メートルの笹垢離周辺まで行くと、下界の暑さとは違ったことでしょう。とはいえ、過酷な作業をなさるにはやはり汗ぐっしょり、お疲れ様でした。
今年は見ることのできなかった村山古道の美しい写真をどうも有り難うございました。

  • ムラヤマフジコちゃん
  • 2020/09/04 11:49