富士山のまだら豪雨 その4

 

 前回、6月3日の村山古道補修についてはやり残しがあることを書いておいた。
 札打場の上の土嚢10俵3段の水切りが壊れて越流が起こっていて、早急に補修しなければ水切りの足場自体が流されてしまう危険性があると。
  世の中良くしたもので、強力な助っ人が2人も現れて10日に改めて入山しようということになった。
 難点は天気である。関東・東海に入梅宣言が出されて4日目、そろそろ本格的な雨があってもいいのではないかと思っていると、前日予報では10日の降水確率は90%。

   10日09時の24時間予想天気図はちょっとおかしなパターンで、停滞前線が2本平行している。強い寒波が張り出すときには寒冷前線が2段、3段と構えることは時々あるが、今回はどういうモデルになるのか。帰りには浅間大社の湧玉池で水行して泥を落とすことも覚悟で、土嚢袋75枚、鶴嘴、スコップなどを準備した。


  10日午前5時の気象庁レーダー・ナウキャスト画像をみると予想天気図とはちょっと違う。台風5号の直接的影響はまだこないだろう。この位置の台風はむしろ北寄りの風を呼び込んでくれるで、富士山南斜面では有利ではないか。
 藤沢の自宅を出るときはベッタリ雨雲が垂れ下がるような重い空だったが、丹那トンネルを抜けるとしだいに明るくなり、富士宮に近づくと薄日まで差してきた。
 日曜とはいえ天気予報のせいだろう、一般観光客のクルマはなく、春の花は終わって ヤマボウシとマタタビの白が目立つ。山椒の実を集めているという爺さまが、どこかにないかと話しかけてくる。


 まず壊れた水切りだが、上流側にどっさり土砂がたまっているので、仕事は楽である。排水路を掘り下げて 土嚢12俵を造り、壊れた土嚢の上に積んで、その上に丸太を並べて杉の落ち葉で擬装、登山者に踏むなよと意思表示するのにわずか30分。

 

 空は暗くなってきたがまだ雨は来ない。
 むずかしいのはこの100メートル上の大斜面だ。


 

 左への下りは小型運材車が利用している可能性があるので、通行の邪魔にならないよう、右の少し低いところに2〜3段の土嚢の壁を造ることにした。
 しかもここは斜面の途中で土砂が堆積していないので、土を詰めた土嚢をウンコラウンコラ運んでこなくてはならない。〆て47俵。

 

 上に丸太を並べて擬装するまで合わせて85分。終わったときにポツリポツリと雨が降りはじめた。

 

  この2段構えの水切りがあれば、札打場近辺の足許はかなり安定するだろう。

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